焼却施設とは
焼却施設は、ごみを高温で燃やすことで処理する施設のことです。燃え残った灰やスラグを埋立地やセメント原料に利用することができ、ごみの処理に寄与しています。
焼却施設の仕組み
焼却施設では、まずごみを受け取ります。ごみは、受付で受け取られ、外来物質の除去や分別、粉砕などの処理を行います。その後、燃料として適切な大きさに分別され、燃焼炉に投入されます。
燃焼炉では、高温の炎でごみを燃やします。この際、酸素を供給することで燃焼反応が起こり、熱と二酸化炭素などのガスが発生します。発生した熱は、水を沸騰させて蒸気を発生させ、蒸気タービンを回して発電することができます。
一方、燃え残った灰やスラグは、選別されて埋立地に埋められたり、セメント原料として利用されたりします。
焼却施設のメリットとデメリット
焼却施設のメリットは、以下の通りです。
①大量のごみを効率的に処理できる 焼却施設は、1日あたり数トンから数十トンといった大量のごみを効率的に処理できます。このため、都市部などの人口密集地域で活躍しています。
②電力を発生できる 焼却施設は、燃え残りや灰、スラグを利用して電力を発生することができます。再生可能エネルギーとして注目されています。
一方、焼却施設のデメリットは、以下の通りです。
①焼却による二酸化炭素の排出 焼却によって、二酸化炭素などの有害物質が発生します。これらの物質が大気汚染の原因となるため、環境への負荷が問題視されています。
②環境への負荷 焼却施設において、発生する排ガスや排水、燃え残り、灰、スラグなどが、環境への負荷となります。特に、燃え残りや灰などが埋立地に埋められた場合、地下水への影響が懸念されます。
③燃え残りの問題 焼却施設では、燃え残った物質が出ます。これらは、環境への負荷や埋立地の問題となるため、その処理方法については慎重な検討が必要です。
焼却施設の役割
焼却施設は、大量のごみを効率的に処理し、発電することができるため、都市部のごみ処理には欠かせない存在です。また、排ガスや排水などに対する規制が強化される中、技術革新により環境負荷を低減する取り組みが進んでいます。
ただし、焼却施設は、ごみ削減やリサイクルの推進などによる「ごみ問題の根本解決」にはつながらないため、一方的に焼却処理に頼らず、総合的なごみ処理のあり方を考えることが求められます。